音楽家から貰った物 [進路]
名人は上手の坂を一登り、なんて事を言います。
名人と言われる一は上手なんてレベルはヒョイっと超えてしまう様なレベルにある例えなのだけれども、
音楽留学をするような人達というのは普段僕が触れるような音楽のレベルからすると(少し大げさだけど)名人のレベルに達していて、
そういった人達の演奏や言葉や生活から感銘を受ける事が多々あります。
留学してまで音楽を勉強しようという人は、大体が音楽と(若しくは”で”)生きてゆくという覚悟をきめている人で、その生活の全ては音楽のためになってるんです。
僕は偶然そういう人と交換留学初日に出会って仲良くなって、その感覚がマンガの(というかのだめカンタービレ)中の御伽話ではなく、実際にそうやって生きてゆく人が居るのだと始めて実感しました。
小さい時から音楽を始め、完全実力至上主義の中でひたすら音楽が好きだという気持ちを守り続け、今は授業料免除と奨学金を貰い大学生活を全て音楽につぎ込み、果ては大学院を出てプロになろう。
そういう人の言葉や音楽に対する姿勢というのは非常に厳しく重かった。
これは他の種類の留学生の殆どが持っていないもので、(というか普通の人はこんな大それた事を使用なんて思わないよね)
僕は完全にそれにアテられてしまった。
その子のスケジュールは殆ど真っ白で、その白い時間は全て音楽に当て、
ここで一番になれなければ恐らくプロになることはかなわないだろうと現実を見つめ、
努力と練りに練った思考に裏付けられた自信を持っていた。
僕はヘラヘラ笑ってそれを聴いていたのだけれども、いつしかそれに打ちのめされて自分が恥ずかしくなり、やがては自分も自分の好きなものに対してそのような姿勢でありたいと思うようになった。
自分より4つも年下の女の子が自分よりも力強く、しっかりと生きているのがとても気に食わなかった。
だから少なくともその子と話していて自分が恥ずかしくならない様に勉強して、出来ればその子よりも一歩だけでもいいから前へ進みたかった。
そーやって図書館と学食に篭って朝から晩まで勉強する生活を半年くらい続けて少しは近づけたのかなと思った辺り、
ソリストとしてコンサートやるよ連絡を受け、友達がソリストなんて始めてだなぁとワクワクしていた。
前日にビデオカメラを渡されて「明日はとても素晴らしい演奏になるから、しっかりと撮影してね♪」と言われ、
相変わらず物凄い自信だなと思いながら承諾し、当日はちょっと渋々ながらも撮影。
今までそのオーケストラで聞いてきたソリスト達より圧倒的に上手かった。
そしてその子が普段どう生きているか、
どう努力してきたかを知っている。
だから僕はその日の演奏を聞き終わったときにカメラ越しで泣いていた。
音楽で泣くのなんて始めてだったし、
なんで泣いているのか解らなかったし、
隣に年上の友人がいたのでちょっと泣くのを隠すのに必死だった。
今でも録音したデータを再生すると最後に自分が少し泣いているのが解って恥ずかしいw
その帰り道に思ったことは一つだった。
僕にあれが出来るだろうか?
僕がもし音楽をやっていたとして、
あの場所に立てるだろうか?
一つ確かなのは今の自分では絶対に出来ないという事。
きっと明日だって出来ないだろう。
来年も無理だ
その先は?
僕の好きなことは万人を感動させたりするような事ではない。
でも、
その子の様な道を行けたらいいなと思った。
出来ないかもしれない。
そもそそも学問という道の時点で無理なのかもしれない。
でも、最大限に近似したい。
その帰り道に物凄い厚化粧で真っ赤な派手なドレスの中国人がコンサートホールから走って追いかけてきてこう言った。
「素晴らしかったでしょ?」
うん。演奏も素晴らしかったし。学んだことも素晴らしかった。
なんかとっても入れ込みすぎな気もするし思い過ごしなきもするのだけれども、
別にそうだったとしてもいいや。
さて、今日もあの日の演奏を聞いて頑張りますか。曲名知らないんですけどね(笑
名人と言われる一は上手なんてレベルはヒョイっと超えてしまう様なレベルにある例えなのだけれども、
音楽留学をするような人達というのは普段僕が触れるような音楽のレベルからすると(少し大げさだけど)名人のレベルに達していて、
そういった人達の演奏や言葉や生活から感銘を受ける事が多々あります。
留学してまで音楽を勉強しようという人は、大体が音楽と(若しくは”で”)生きてゆくという覚悟をきめている人で、その生活の全ては音楽のためになってるんです。
僕は偶然そういう人と交換留学初日に出会って仲良くなって、その感覚がマンガの(というかのだめカンタービレ)中の御伽話ではなく、実際にそうやって生きてゆく人が居るのだと始めて実感しました。
小さい時から音楽を始め、完全実力至上主義の中でひたすら音楽が好きだという気持ちを守り続け、今は授業料免除と奨学金を貰い大学生活を全て音楽につぎ込み、果ては大学院を出てプロになろう。
そういう人の言葉や音楽に対する姿勢というのは非常に厳しく重かった。
これは他の種類の留学生の殆どが持っていないもので、(というか普通の人はこんな大それた事を使用なんて思わないよね)
僕は完全にそれにアテられてしまった。
その子のスケジュールは殆ど真っ白で、その白い時間は全て音楽に当て、
ここで一番になれなければ恐らくプロになることはかなわないだろうと現実を見つめ、
努力と練りに練った思考に裏付けられた自信を持っていた。
僕はヘラヘラ笑ってそれを聴いていたのだけれども、いつしかそれに打ちのめされて自分が恥ずかしくなり、やがては自分も自分の好きなものに対してそのような姿勢でありたいと思うようになった。
自分より4つも年下の女の子が自分よりも力強く、しっかりと生きているのがとても気に食わなかった。
だから少なくともその子と話していて自分が恥ずかしくならない様に勉強して、出来ればその子よりも一歩だけでもいいから前へ進みたかった。
そーやって図書館と学食に篭って朝から晩まで勉強する生活を半年くらい続けて少しは近づけたのかなと思った辺り、
ソリストとしてコンサートやるよ連絡を受け、友達がソリストなんて始めてだなぁとワクワクしていた。
前日にビデオカメラを渡されて「明日はとても素晴らしい演奏になるから、しっかりと撮影してね♪」と言われ、
相変わらず物凄い自信だなと思いながら承諾し、当日はちょっと渋々ながらも撮影。
今までそのオーケストラで聞いてきたソリスト達より圧倒的に上手かった。
そしてその子が普段どう生きているか、
どう努力してきたかを知っている。
だから僕はその日の演奏を聞き終わったときにカメラ越しで泣いていた。
音楽で泣くのなんて始めてだったし、
なんで泣いているのか解らなかったし、
隣に年上の友人がいたのでちょっと泣くのを隠すのに必死だった。
今でも録音したデータを再生すると最後に自分が少し泣いているのが解って恥ずかしいw
その帰り道に思ったことは一つだった。
僕にあれが出来るだろうか?
僕がもし音楽をやっていたとして、
あの場所に立てるだろうか?
一つ確かなのは今の自分では絶対に出来ないという事。
きっと明日だって出来ないだろう。
来年も無理だ
その先は?
僕の好きなことは万人を感動させたりするような事ではない。
でも、
その子の様な道を行けたらいいなと思った。
出来ないかもしれない。
そもそそも学問という道の時点で無理なのかもしれない。
でも、最大限に近似したい。
その帰り道に物凄い厚化粧で真っ赤な派手なドレスの中国人がコンサートホールから走って追いかけてきてこう言った。
「素晴らしかったでしょ?」
うん。演奏も素晴らしかったし。学んだことも素晴らしかった。
なんかとっても入れ込みすぎな気もするし思い過ごしなきもするのだけれども、
別にそうだったとしてもいいや。
さて、今日もあの日の演奏を聞いて頑張りますか。曲名知らないんですけどね(笑
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