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卒業しました [NHH]

えーなんか最後の記事が移転というのはなんか寂しいので、卒業の記事でこのブログを締めたいと思います。

2週間前に卒業論文を提出して、その次の日に卒業式へ参加して来ました。

「長い。」と一言で表してしまうのにはとても長い2年間でした。

一応世界のトップ校で教育を受け、その知識を生かして実際の政策を動かすような研究に携わる事ができたことはとても幸運だったと思います。

まぁ万事が全部うまく行った2年間ではなかったです。

自分の立てた目標を達成できなかったし、

色々なもの(特に人間関係)を失ってしまいました。

色々やらかした2年間でもあったと思います。

まぁ間違いなく学位にはなくなった分だけの価値は無いわけですが、

これからその埋め合わせを手に入れたものでしてゆかないといけないわけです。たぶん。

何が手に入ったのかな?って考えると結構難しい・・・

データ分析できるようになって、コテコテに数学の入った論文とかも普通に英語で読めるのは今後の人生をかなり豊かにするだろうなと思います。

でも他にこれといって成長した気がしない・・・かな?

頑張って捻って出すならば、

「他人と自分に対するフェアさ」

みたいなものは身についた気がします。

自己や周りの人を主観でなく客観的な指標(それこそKPIみたいなもの)で見てみようと考えるのはとてもいい事だなと思います。



うーん。

ちなみに卒業式はこんなかんじでした。

grad.jpg

スーツの人がいたり、ノルウェーの民族衣装をきている人がいたり、それぞれ。

ディプロマもらったら後はしこたま大学が用意したワイン(無料)を飲んでパーティー。

grad2.jpg

ワインとディプロマでご満悦の様子。

まぁ実は今学期で卒業しない可能性もあるのですが、ひとまず卒業と言うことでこのブログを締めたいと思います。

ちなみに新しいブログはこっちで書いています。

http://www.housecat442.com/


今後僕がどんなキャリアを形成していくかはまったくもって解りません。

ただ、

プログラミングとDBがある程度出来て、

統計分析がある程度出来て強い興味があって、

英語が研究者レベルで喋れて、

経済と経営も知識レベルではある程度ある。

これらの要素を出来るだけ生かして行きたいと思ってます。
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移転のお知らせ

サーバー借りて色々と試したくなったのでサーバーを借りました。

ついでなのでブログもソッチのほうで継続してゆこうかと思います。

http://www.housecat442.com/

今後共よろしくお願いします。


toro2.jpg
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夢と挫折と残った何か。 [未来の話]

帰国してから1周間が経ちました。

すこし考えをまとめるためにもブログを書くのもいいんじゃないかなと思い記事を書いてます。

2年前に経済学者になりたいと日本を旅立ち、必死にノルウェーで足掻いて来ましたがとうとうその夢を諦める事に成りました。

分が悪かった最初の一年を2年目で取り戻せたと思っていましたが、そうでも無かったみたいです。

3月の20日頃に結果を受け取ってから、4日間本当に生ける屍の様な状態でひたすら将来に対する不安と後悔の渦の中にいました。

とりあえず未来の為に何かしていれば不安でなくなるという理由から他のPhDの募集要項を集めてみたり、就職活動のサイトに登録してみたりしていました。

そして5日目にある事に気が付きました。

PhDのプログラムを見ていてもワクワクせずに不安ばかりを感じてしまっている自分がそこにいました。

そこから不安にならない為の見せかけの就職活動と、自分が今何に好奇心を持てるのかを模索する行為を始めました。

しかしいくら自分が出来る事(例えば英語とか)を軸に職を探しても、一向に自分の好奇心の在り処を見つけることはできませんでした。そして自分の不安を掻き消すことも出来ませんでした。

一週間と2日か3日経った辺りでデータサイエンティストという単語と出会いました。

それから数日間は朝から晩までデータサイエンティストの業務等について調べていました。

正しくそれは好奇心が不安を上回った瞬間であり、日本へ帰るという結論に達した瞬間でした。

もしかしたらただの現実逃避なのかもしれません。
今に最も近い選択肢を選んでいるだけかもしれません。
何かを目指すことによって自分の体裁を短期的に良く見せようとしているだけなのかもしれません。
正直どうなのか自分でわかっていません。
判別方法もよくわからないです。

けれども僕は好奇心を追わなければタダのダメ人間に戻ってしまうと確信しています。

高校を卒業して成績も英語も一番下だった人間がここまでやってこれたのはそこに好奇心があったからです。

だから僕はこれからも自分の好奇心を追い求めて生きてゆきたいと思っていますし、おそらくそれは僕が人として最もマトモに生きて行ける道なのだと思います。



さて、結論を。
僕はデータを分析してビジネスがしたいと考えています。
データサイエンティストに。。。もしくはそれに近いものに成りたいと思ってます。

きっと多くの人からは理解されないでしょう

今足りないものもいっぱいあるでしょう

それでも僕は好奇心が見つけた物へと挑戦したいと思います。

ということでただ今日本で絶賛就職活動中です。

∂utility/∂income < ∂utility/∂interest
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データサイエンティストとビッグデータ [世間話]

はい、お久しぶりです。

えーまぁ色々とありまして人生プランをかなり変更する事になりました。

色々と決まったらちゃんと報告をしたいと思います。


で、まぁプランが変更になったので当然必要な知識も変更になり、ここ数日は日本でデータ分析とかがどんな感じで使われてるのかなぁという事について調べていました。

2年くらい前から結構ビッグデータという単語を聞いたり、それに付随してデータサイエンティストなんか聞いたりします。
それらが具体的に指してる意味って何よ?とか、それ使って何が出来るのよ?とか、どうやってやるのよ?って事を今日は書いて行きます。


データサイエンティストから。
早い話このスライドを見れば良いかと。
http://www.slideshare.net/shoheihido/120913-pfi-dist

ぱっと調べたイメージでは、
「データを分析して何らかの関連だったりパラメーターだったりを推定して、それを使って業務を改善して行ける人。」
といった所でしょうか?

研究者との大きな違いは、「見つけて報告して終了!」ではなくて実際に見つけたものから業務を改善して利益を高める所まで求められているという所でしょう。

気になった点は、どのような手法を使って解析業務をこなしているのか?です。
例えば僕みたいに回帰分析とそれを発展させた手法でゴリゴリ仮説を検証するタイプの人って結構いるんでしょうか?
それとも自然科学系でアルゴリズムとかデータマイニングを勉強してきて、データの中から関連性を見つけてくる様な人ばかりなんでしょうか?
新しい関連性とか事実を見つけてくるには後者のほうが圧倒的に有利なのは否めないでしょう。
ただ、その場合だと見つけてきた関連性に理由をつけるのが難しいのではないかな?と。そういった点では前者のほうにもある程度のメリットがありそう。


あと気になっている点は、「プログラミングのスキルってどのくらい持ってるのかな?」って事。
例えばリコメンドサービスをやりたいとして、アソシエイト分析とかで一緒に買われている商品のセットを発見できるのはわかってると。
じゃぁ片方の商品を今見ている人にもう片方を推奨するようなシステムを実装するのって誰なんでしょ?エンジニアさんなんですかね?それともデータサイエンティストなんですかね?



ビッグデータって何よ?ってお話。
ん〜サンプル数と変数の多いデータセットって所なんじゃないですかね?
ただ、データセットが大きいためにデータの処理が重くなってしまうのが難点っぽいです。
hadoopが注目される理由はおそらくそういった重い処理を分散処理で効率的にこなせる様にできるからなんでしょう。
ちょっとまだ理解できていない点は、結局分析はローカルでやるのか?それともオンラインで(hadoop上で)やるのか?って所。
オンライン上で行う場合には何かしら特別なソフトウェアを用いてるんでしょうか?
mahoutでアソシエーション分析とか協調フィルタリングとか出来るみたいですけど他はどーなんでしょ?


ちなみにhadoopについてはこの2つがとてもわかり易かったです。
http://www.ustream.tv/recorded/17517378
http://www.ustream.tv/recorded/28690598



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突破口。 [研究]

自分で行う研究とは基本的にアイデアを生み出してはそれを自分で潰すという作業の繰り返しだ。

自分がそこに存在すると思う事象を探す為に一人で仮説の乱立する森を歩き、データの砂漠をさまう。

そしてそれは突然やって来た。


いつもの様に天才ドイツ人ニルスとカフェで研究をしていた。

互いにトピックは別な物の、計量経済学で研究をしているので相談しやすいという理由で良く何処かのカフェに陣取って勉強したり研究したりする。

ニルスは風力発電への投資が地域経済へ与える影響を研究してる。

彼の今使っているモデルがあまり見込みが無さそうなのでパネルデータへ移行してはどうか?という話をしていた所で、恐らく地域経済成長モデルはAR(1)(つまり、前年の経済規模が今年の成長規模にも影響がある)になるだろうと思いついた。

その話をしている時に頭の中では自分のトピックについて考えていた。自分のケースでは同じ様な構造が存在しないのだろうか?
この時点では答えははっきりしていなかった。ただ、3年前の値段が2年前の投入量に影響して、投入量が今年の供給量を決定し、供給量によって価格が左右されるのであれば、3年前の値段は今年の値段への影響を持つ事になる。

そしてこのケースはDynamic Panel Dataと言えるんじゃないだろうか?
ニルスとの話が一段落してたので、話しながら考えていた事をまとまらないままにニルスに喋ってみた。
そして考えが詰まったので話を途中で止めて再び考え始めた。そしてニルスがトイレへと行く。

そしてふと思った。
俺の扱っている市場に同時性(simultaneity)ははたしてあるのだろうか?
普通の商品の場合、供給と需要は同時に決定される。つまり、相互に影響し合う訳だ。

しかしサーモンの場合、一定期間に置ける供給量は2年前にどのくらい稚魚を入れたかで決定される。
つまり、供給は需要とは同時には決定されないのだ。
供給は過去の需要によって決定する。

この時点ではまだ考えが曖昧だった。
そしてここで思いつく。
あぁ短期的な供給決定と長期的な供給決定があるのか。と。

長期的な供給決定は過去の需要によって行われる。そしてここには同時性は存在しない。
短期的な供給決定は現在の需要(=価格)によって行われる。そしてここには同時性が存在する。

そしてニルスがトイレから帰って来てこう言った。
「考えてたんだけど。多分供給決定には短期と長期があるんじゃないかな?」

そこから30分くらいはモデルを作り直したり色々確認したりとしていた。
そしてまた一つ壁に当たった。

短期的な供給決定には同時性が存在する。
という事はendogeneity problemを解決する為にIV methodを使わなくては行けない。
よって、短期供給には影響するけれども、価格には影響しないデータを探し当てなくては行けない。
正直望み薄だと思った。なぜなら大体のデータは年間データで、あまり細かい事はデータとして上がってこないからだ。
過去にノルウェーの漁業組合のデータベースに保存されている変数の一覧を研究ノートに作っていたので、それを眺めていた。

養殖者はある程度の時期が経ったらサーモンを収穫したいと考えている。なぜなら成長速度は遅くなって行くのに餌代がかさんで行くからだ。だったらさっさと収穫して新しく稚魚を入れた方が儲かる。
じゃぁもし年明けに大量に去年のサーモンが余っていたらどうするだろうか?もちろん売りに走るだろう。つまり、去年のあまりは今年の供給量に関係がある訳だ。そして、余剰サーモンの変動が与える価格への影響は当然少ない。
一つあった疑問は、
もし去年の価格決定が今年の価格決定に影響があるとして、去年の価格が去年の過剰サーモンの量と相関しているならば、去年の余りのサーモンはIVとして有効ではなくなる。
という物だった。

それを確かめる為に単回帰で相関を調べた所、去年の価格と去年の過剰サーモンに相関は無かった。




そして夜家に帰り、短期決定モデルを推定してみた所、全てが上手くいった。
1%の供給増に対して、価格は0.13%の低下を示した。
そして、長期決定モデルでは、1%の去年の価格上昇に対し0.18%の供給増を見せた。

つまり供給曲線のカーブが需要曲線のカーブよりも強い。これはまぎれも無く探し求めていたcob-webモデルの条件であり、cob-webモデルは周期性を説明する。

その後は興奮して寝れなかった。

眠くなるまでゲームと映画で時間をつぶし、
朝起きると同時にもう一度分析してみた。

幾らかの仮定をクリアしないといけない事に気がついたけれども、基本的に間違いは無さそうだ。
そのあと久々に買ったパンにスモークサーモンとチーズを乗っけてオーブンで焼き、分析結果を見ながらコーヒーと共に食べた。はじめてノルウェーにようこそと誰かに言われた気がした。

今日からイースター休暇なので、教授と結果に付いて相談する事は出来ない。
けど、イースターが終わったら結果を教授に見せて、お墨付きが貰えたらこれを論文にして卒業研究はおしまいになる。
実はもうちょっとやりたい事があるのだけれども、ちゃんとデータが手に入るかが解らないのでひとまずは置いておこうかと。

暫くはこの結果が砂上の楼閣でない事をチェックする為に教科書とにらめっこになりそうです。
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Dynamic Programming... ケーキを3日掛けて食べるお話。 [経済学]

宿題でDynamic Programmingが出たのでもう一度w

前回はこっち


前回はt=2で、2日掛けてケーキを食べ切ろうと言うお話だったんですが、今回はなんと3日です。

2日のケースと何が違うの〜?というと、最大化問題を2回解く所ですかね。

4日目のケーキの残量が0だとします。(3日で食べ切ると言う条件なので。)
よってx=0 where t=4

効用はケーキの消費量uの平方根を取ったものとします。

3日目の価値関数V_3に付いて考えます。

3日目の効用に次の日の価値観数V_4を含めて最大化を解きたい所ですが、4日目はケーキが残っていないのでV_4はゼロとなります。

そして、消費量u_3は自動的にその日までに残っていたケーキ残量x_3と同じになります。(食べ切っちゃうので。)

という事で、3日目は放置して2日目に行きます。

2日目の価値関数V_2は2日目の効用関数に3日目の価値関数V_3を含めた物になります。

そして、1日目の価値関数V_1は1日目の効用関数に2日目の価値関数V_2を含めた物になります。

V_2の最大化問題を解いてV_2を最大化させる解を関数として見つけ、その解をV_1に代入してV_1の最大化問題を解けば、全ての時間を通しての最適消費計画を見つけることができる訳です。


Dynamic Programing exp.png



と、まぁこんな感じに解けちゃう訳です。

時間tが3から10に増えたとしても同じプロセスを繰り返すだけでやっぱり解けます。
つまり、価値観数V_10から始めて、9回最大化問題を解けば最適計画が見つかります。
まぁt-1回最適化を解けと。そういうお話です。



いやぁ。解を関数として見つけるって結構めんどくせぇなって今まで思ってたんですけど、便利なんですね。
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労働市場の蜘蛛 [経済学]

Cob-web modelの研究を探していたら70年代の労働市場の論文を幾らか見つけたのでちょっとまとめを。

Richard B Freemanの
"Cobwebs": A recursive Model of the Market for New Lawyers
A Cobweb Model of the Supply and Starting Salary of New Engineers

多分ググればpdfが見つかるかと。

どちらも中身は一緒で、育成に数年掛かる専門職は労働市場において供給量と価格に周期性があると言うもの。

例えば現状でEngineerの数が不足している場合、給料が上昇して多くの学生が工学を大学で勉強する事を選択する。

そして卒業した時には多くの工学学位を取得した学生が労働市場に供給され、結果給料が下がる。

これは弁護士にも同じ事が起きる。


この論文で面白かった事は、著者が給料のデータ無しに推定を出来ている事だ。

給料のデータは基本的にあまり精度が良くなく、信頼出来ないのでその必要性がある。


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気になる事。フェアトレードのおはなし。 [経済学]

最近の僕の興味はもっぱら需給バランスの崩壊と周期性にある訳なんですが、最近その流れでフェアトレードも面白いなと思う訳です。

発展途上国の農産物が安く買いたたかれていて、利益が全く出ないのでそれを少し高めの値段で買い取ってあげましょうという活動で、日本ではあんまり広まらなかったのだけれどもヨーロッパでは結構な規模で行われてます。

で、僕はやっぱりこの活動が見事に的を得ていない慈善活動なんじゃないのかなと思う訳です。

あ、いや、別に第3世界の農民が低賃金で働かされて不幸になろうが知った事じゃないって事ではないですよ。なんかフェアトレードという手段ばかりが有名になってそれ自体が目的と化してしまってるのではないかなと。
で、生産者が幸せになる為には他の方法の方が良いのではないかな?と思う訳です。(残念ながらその他の方法に付いてはあまり言及出来ない訳ですが。)

で、そもそも何でそんな安値で農作物が買いたたかれてるのか?というと、供給過多だからなんですよ。皆が安いコストである程度の質の物を作れる様になったから競争が激化して値段が下がったと。で、農作者にとってそれは違う市場へ移動するべきというシグナリングになってる訳です。

けれども、そこでフェアトレードが一定の価格を提示して買い取ると、農作者は他の市場へと移るインセンティブを失ってしまう。もしフェアトレードが状況の悪い場所から救おうとすればこの傾向はより強くなる。なぜなら状況の悪い農作者程他の市場へ移るインセンティブが大きいからだ。

さて、見方を変えるとこれは以下の様にも言える。
フェアトレードのおかげで、状況の悪い農家は一定の収入を得ることができた。
これは間違いない。ミクロ的には素晴らしい事だと思う。

しかし、少しマクロな視点へ移ればこれは以下の様に言える。
状況の悪い農家が市場から出て行かなかった結果、供給量が以前と変わらず、値段は上昇しなかった。
もし、ある程度の農家が市場から出て行って違う農作物を生産すれば、供給量は減って価格は上昇する。その結果市場全体での利益は上昇する事になる。
さらに、市場から退出した農家が他の生産物でより高い利益を上げることができれば、次に状況の悪い農家は他の市場へと移るインセンティブが上昇し、市場を退出する決断をするかもしれない。


もしフェアトレードの規模が小さく、価格への影響を持たない程の規模の場合、この議論は成立しない。しかし、その程度の規模ならば国際貿易の歪みを是正すると言う目的に対して無力だと言える。
そして、規模を大きくした時、上の問題が起こりえる。

じゃぁ代案はあるのかよ?という話になるのだが。
う〜ん。
ぱっと思いつくのは一つ。
農作物の問題は、生産者が他の市場へ移る意思決定を行えない(若しくはその意思決定に時間が掛かる)から発生する。
理由は簡単。新しい市場の不確実性は今の市場よりも高いからだ。
もし、僕らがそこで不確実性を幾らか少なくして、少なくとも今の生産物より魅力的である事を実証することができれば、この問題は”幾らか”解決出来る。そしてそれはコーヒー市場の生産過剰を減少して値段を上昇させる事が出来る。


本当はモデルを使って説明したかったのだけれども、ちょっと時間がなかったので省略。
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Threshold [フェンシング]

先日ノルウェーの学生フェンシング大会があったので、トロンハイムまで行ってきました!

初日は移動日。

朝6時に起きて前日のケバブの残りを頬張りながら空港へ向かいます。

空港で教授に頼まれていたお仕事をして、問題が発生した所で飛行機に乗り、対策を考えていたらいつの間にかに熟睡。そして気がつけばトロンハイム。

難なくホテルへと向かい、実家がトロンハイムなクラブメンバーと合流し観光へ。

こんな感じの街でした。
toro2.jpg


toro.jpg


結構きれいな街で、古めかしい建物と18世紀辺りの要塞に歴史を感じてました。

観光の後そのままオープニングセレモニーへ行き、花火のしょぼさに落胆。

「花火がショボイからその分クロージングセレモニーのパーティーにお金使ってるはずだよね♩」とかポジティブな期待を抱いていたのですが・・・


二日目は個人戦。

いつもの事ながら、人数が少ないので予選は男子2プールで女子は1プール。

俺のプールは

ひかる君
Anderas
Vegard
Håwkon
something
something
something but strong

の8人プール。
初戦はAnderas。オスロでプレイしてるかなりの強者。
1m90cm程の身長でロングフレンチという175でデブな俺にはかなり無理ある相手。
最初の1本を先制するも、後は射程の違いでやられて結局1-5。

2戦目はひかる君。一緒のチームに所属する日本人。
普段教えている相手なので、手のうちも知ってることもあり5-2で勝利。

3戦目はVegard。オスロでプレイしてて、Anderasの古くからの友人且つライバルというなんとも少年マンガらしい設定の彼。
身長が170cm程度とノルウェー人にしては相当に小柄、しかし彼のフェンシングは非常に技が洗練されていて動きが小さい。
身長とパワーがある相手に勝ち続ける為に彼が取った道がはっきりと解るフェンシングで、今の自分が欲しいと思う技術が全てそこにあった。

初手で腕にフェイントを入れられて、パリーしようとした所でそのまま攻撃され0-1。
技術で勝負しては絶対に勝てないので、スピードと知恵で勝負する事に。
遠目の間合いから腕へなるべく小さく振り込み、相手が反応した所で攻撃。決まったと思うも、相手がカウンターをあわせて来て両得点。1-2

次は開始と同時に相手が間合いを詰めて前に出てくる。近い間合いで勝負しても絶対勝てないので下がり続ける。そしてラインアウトw場外で相手に1点あげてしまう。1-3
しかし、まだ冷静だったのでここで知恵を絞る。開始と同時に腕を下げたまま走り込む、すかさずカウンターを出して来るのでそこで動きを止めてそのカウンターを払い除けて再び攻撃。2-3

ちょっと気合いを入れ直して来た相手は小さなフットワークとフェイントを幾らか入れて間合いを詰めてくる。スピードに乗ってくれればフェイントの隙をついてカウンターを入れられるので、こちらも小さなフットワークで下がって徐々に相手のスピードを上げさせる。
そしてスピードが乗った所で一気に距離を取って腕に振り込む。3-3。

このパターンの技は結構上位陣に効くのだけれども、未だにどうやったらこの技が使える状況を作り出せるのかが謎。

開始直後にフレッシュでダブルを貰い4-4。
しかし、最後はフレッシュしようとした所にカウンターをもらい4-5で敗北。
最後は単調すぎたなぁと後悔。

後で話してみると実は日本語を喋れるらしく、フェンシングトークを忘れてそっちの話ばかりw
貰ったコメントは「まだまだフルーレっぽい動きだね」位。
多分剣の動きが大きいのと手が後から来てるのがあからさまなのだろうな。


Håwkonは日本語を喋れるトロンハイムのプレイヤー。ただまだ1年目で動きもまだまだ。
久々に左利きと対戦するのもあってちょっと焦ったけど5-3で勝利。

something2人は弱くて印象が弱かったのでスキップ。両方とも勝利。

something but strongは正直良くわからなかった。
間合いを保たれて、剣のコンタクトをさせてもらえなくて、何も出来なくて負けた。
あの相手に一体どうやったら勝てるのかとかそう言うのが全く解らなかった。
1-5とかで敗北。

結果プールは4勝3敗。
勝つべく相手に勝って、結局実力が上の相手には勝てなかった感じです。

トーナメント1回戦はStein。
長髪イケメンブロンド長身ノルウェー人。というコンボが決まってる羨ましい奴。
フェンシング歴は7−8年程で、ロングフレンチをまぁ上手くもなくそこまで下手でもなく扱うプレイヤー。身長は多分1m90cmくらい。

手突きとカウンターでぼこぼこ点を取られ、気がついてみれば1-8とか。
ここでいったん落ち着いて整理する。相手の剣を抜いてそのまま攻撃してもカウンターで相手が点を取るだけ。
遠目から小手に振り込みに行くとあわせて下から突かれる。どう考えても相手の剣を巻いてカウンターを出せない状態にして攻撃に出るか、カウンターをパリーしてつくしか選択が残されていない。
ただ、相手が小手を脅威に感じてくれないとフェイントに使えないので小手に少しこだわる。
何とか1回小手に振り込んで2-8。

そこから解っちゃ居るけど、抜いた後にいけそうな気がして攻撃に出てカウンターをもらうを繰り返す。互いに6本ずつとって気がつけば8-14。あと1点相手が取ったらゲームセット。
しかし、ここで遂に点の取り方を理解する。下方向に巻いた時に抜き方が一つしかないので、それをもう1回した方向に巻き取る。するとこっちの方が剣をコントロールするスピードが速いので難なく相手の剣をコントロール出来る!
まだ負けていないと自分に言い聞かせてこの方法で点を取って行く。点を取るごとに吠える。そして6回吠えて14-14。
あろう事かここで気持ちが切れてしまう。最後の最後で考えを止めてしまった。。。
もしかしたら最後の勝負を自分のアイデアに託すのが怖かったのかもしれない。

最後はやってはいけない抜いてからのアタックで14-15。
この日の夜は物凄い落ち込んでた。フェンシングで一本勝負を落とすと何事にも言い換えられない
気持ちになる。8-14から追いついたのならなおさらだ。自分の満足したい欲求に負けてしまったのだ。
あぁ勝ちたかった。そして投げずに自分の考えで最後まで勝負するべきだった。



3日目は団体戦
チームは

Helga-Marie
Richard
の3人。

試合形式はイタリアンリレーで9試合やって45点取ったチームの勝ち。
俺の役割は最後にチームの借金を全部返すと言ういつもの形式。
ただ、この日は少し違う課題を自分に課していた。
日本に帰った時に団体戦のエースの役割に付いて後輩とはなしていて、それは恐らくチームに勝てると言う希望を失わせない事だろうという事だった。

もしエースをやることになったらこれを達成したいとずっと思っていた。

トロンハイムは合計3チームあり、チーム2と3は話にならなかった。
対オスロ戦がこのエースの役割の最初で最後の難関だった。

相手は
女子準優勝
Vegard
Kristian
T...名前忘れたw
の4人。

まずリチャードがvegardに5-2で負けてくる。
2巡目が(確か)俺と女子準優勝。
あまり積極的な選手ではないので、こちらから攻めて相手のスタイルを崩して行かないといけない。
俺としてはこういう時はなるべく手突きで勝負したい。が、最初から手で行くと簡単に対策を打たれてしまうので、まずは攻撃で崩す。
剣のやり取りを2、3回するとスピードが遅くなるので、幾らかやり取りをした後に抜いて攻撃を繰り返す。
3点取って5-5で並んだ所で相手が間合いを遠目にして早めにこちらの攻撃の芽を潰そうとしてくる。ので、それを避けて腕に振り込む。
終わってみれば10-7。

しかし、ヘルガとリチャードがあっさり点を取られて18-20。
ここで相手はリザーブを投入。T...何とかの人。身長2mでフェンシング歴が8年程。
Kristianはあんまり上手い選手ではないので、ここで抜かれる可能性を潰しに来た。
けれども、ここで追い抜けばチームメイトが希望を見いだして頑張ってくれるかも解らない。
少なくともここで希望を見せるのがエースの役目。という事でむっちゃ頑張る。

正直対策は何も無く、身長差を生かしてカウンター狙いで守って来るので下へのフェイントを出してカウンターを払って攻撃。
あとは隙あらば出来る限り早く攻撃。

結局追い抜けず23-23。

あとはさくっとチームが点を取られ、最後に回って来た時は36-40。

昨日4-5で負けた相手に4本差はちょっとw
何とか善戦するも、41-45で敗北。
しかし彼のフェンシングは是非まねしたいなと思ったw



あんまり時間がないw
最後はトロンハイム1と対戦。
このチームとの対戦は一つ大きな意味を持っていた。
Steinとの再戦だ。
最初の当たりだったので雪辱を晴らすべく気合いを入れる。
最初の1分様子を見た所、昨日の追い上げの理由を特に考えていないみたいだったので同じ技を掛けて点を取って行く。結果3-1。
むっちゃ嬉しかったw

後はボロクソに負けたのだけれどもw
試合結果は30-45とか。そんな感じ。

最後はもう1つのBSIチームと対戦して勝利。
結果3位入賞となりました。



で、ですね。(練習から帰ってきました)

今回の結果は一つの事を示唆していると僕は思った訳です。

多分これ以上の結果を欲しいと思ったら、もうちょっとフェンシングに対して真面目にならにゃいかんなと。

多分最低でも4、5kg痩せて、練習もBSIではなくてBFへ行って、練習毎に課題をこなす。

果たして出来るだろうか?
僕が行きて行く上でしないといけない事は勉強だ。
勉強ができて研究が出来なければ僕は食って行くことができない。

その条件の中で何処までフェンシングが出来るだろう?

まぁフェンシングをやる分研究も真面目にならないとね。

いく割合はBSIに週2回でBF週1回かな?


因に今さっきBergen Fekting Clubの練習へ行って来たんですが、むっさ楽しかったっす。

ベテランのおじさん選手や14、5歳の選手に、シニアクラスで世界ランキングに乗ってる様な選手。様々な選手とフェンシングが出来るのは非常に楽しいです。

あと今日は1年前に手も足も出なかったヨアキムというジュニアでランキング10位だった選手に勝てました。へへへへへへへへへへへへへえっへへへへへへえへへへへへへへへへ
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あたまがよくな〜るよくな〜る...really? [経済学]

ダニエルカーネマンの「fast&slow」を読みましたっと。

読んでから1ヶ月くらい放っておいたら、本当に興味のある部分だけが残った気がしたので書こうかと。

まぁツイッターと同じ内容ですね。


カーネマンは人間の意思決定には二つのシステムがあると主張してました。

システム1は直感的な判断を行う。このシステムの良い所はコストが非常に安く、決断を短い時間で行える。

システム2は論理的な判断を行う。このシステムの良い所は理屈で考えるので、推論の精度がシステム1に比べて高い。

基本的に間違いを犯すのはシステム1だ。限られた情報から限定的な関係性を見いだし、それを一般化して直感として用いる。
時としてその関係性は一般性を持っている、が。基本的には間違いのケースが多い。

しかし、毎回システム2を使えば良いと言う事ではない。決断に時間が限られている場合にはシステム2を使う事は最適ではない。


で、まぁこれらの事が事実だとして(少なくとも結構なデータや理論がこれをサポートしているので)、僕が考えたいのは頭が良いって言うのはこの枠組みの中ではどんな事なのかな?と。

必要条件は、難しい問題をなるべく短い時間(低コスト)で正解出来る事。

で、天才って言うのは恐らくシステム1で問題を全部解ける人なんでしょう。

まぁこれはどうでも良いですw

なんでかっていうと、システム1で上の様に問題を解く為には、限定的な情報から一般性のある関係を短期間で理解して直感として持っていないとならなくて、それは恐らく鍛錬とかでどうこうなる物ではないからです。

で、じゃぁ凡人がどーすりゃ良いのかって言うとシステム2を使う事になる訳です。

システム2を使って難しい問題を早く解こうとすると、必要になるのはより高い推論能力で、恐らくそれって何かしらの体系が立てられている物(まぁ何かしらの学問ですよね)を勉強する事によって付く。。。気がします。

で、今の学校教育ってのは基本的にシステム2を鍛える様なカリキュラムを組んでいると。

じゃぁシステム2を学問で鍛えれば頭が良くなるのか?というとまぁ学校教育を受けて来た皆様がご存知の通りそんなに単純では無いんですよ。

このシステム2を使って問題を解くか否か?という問いに答えるのはシステム1なのだそうです。

え?じゃぁさ、日夜勉強に励んでシステム2を鍛えて、難しい問題にもシステム2がそれなりの精度でそれなりの早さで答える事が出来るのだとしても、システム1が2を使う決断をしなければ全く無駄な訳?

多分答えはイエス。無駄。

もしこのシステムの選択問題を最適に解けて、システム2を限界まで鍛えることができれば、それが凡人の限界ラインなのだろう。

ん〜じゃぁシステム1が2を使うか否かの選択を最適に行える様に出来るんだろうか?

それについては特に明記されていなかった。けど、イエスだと思いたい。

もしノーなら結構救われない世界だなと思う。





ファスト&スロー (上): あなたの意思はどのように決まるか?

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  • 出版社/メーカー: 早川書房
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