Optimal growth とRamsey Rule っていう輩。 [経済学]

はい、今日も難しい日記を書いて行きます。

もし国が一つしかなくて、その国の経済成長が投資による生産の拡大によって行われるのなら、いったいどんだけ投資をするのが最適なんですかね?というお話です。

国の幸福度合いが消費の関数だとします。u=u(c)
そしてその消費は国のなかで生産した物から次の年への投資分を差し引いた値だとします。c=y-i
で、生産量は資本量kの関数だとします。
大まかに見ればこの上の二つは現実と整合するのですが、まぁそれだけではないと言うのも確かなので仮定にしておきます。

さて、1年だけの効用の最大化なのであれば、投資を0にして消費=生産にしてしまえば良いのですが、ここで時間軸を投入します。
そして、来年の効用より今年の効用の方がある程度重要であるので、ディスカウントファクターであるe^(-δt)を付け加えます。
そして経済を無限に成長すると言う仮定をして、0時点から無限時点に掛けて微分して全ての時点に置ける割り引かれた効用を合計して、現在価値を出します。

下の画像では省いてますが、最大化問題でラグランジアンを作って、それをハミルトニアンHにしてます。
ハミルトニアンを投資量で微分して0にします。
投資量のラグランジアンであるγを時間tで微分すると、追加の資本kがどの程度効用を増加させるのかを導きだせます。そして、それはハミルトニアンHを資本量kで微分させた値と等しくなるので、それらをイコールで結びます。

そしてそれを限界生産量∂f/∂k(次の資本増加でどの程度生産量を延ばせるのかという値)について解きます。
すると、効用uのディスカウントファクターδとごちゃごちゃした部分がでてきます。
このごちゃごちゃした部分はelasticity of marginal utilityに消費の変化量を掛けた物へと変換することができます。
EMUとは消費が一単位増えた時の効用の変化率の変化を表します。この場合は消費が増えるにつれて中々上昇しなくなるので、どれだけ早く消費に対して効用が増加しにくくなるかを示しています。


climate11.png

さて、最適成長のお話は簡単で、最後に示された条件を満たすまで投資すればオッケーです。
実は最後の式はRamsey's rule と呼ばれる物で、未来の価値をどの程度割り引けば良いのか?を教えてくれる式なのです。
δの後の-は+です。ごめんなさい。間違えました。

投資をする際に重要な事は効用を最大化する事であって、未来の所得を最大化する事ではありません。
所得が増加するにつれて、増加1単位から得られる効用は次第に減って行きます。
なら、所得が未来に置いて増加するという前提を元に投資するならば、未来において投資から得る所得が増加させる効用は当然少なくなってしまう訳です。

と、いう事で、普段使用している割引率の概念だけでは効用を最大化する事はかないません。
よって、まず効用を割り引く必要が出て来る上に、所得の変化とそれによって起る効用の変化率の変動も考える必要が出て来る訳です。
そしてそれを上手くモデル化して表したのが上の式な訳です。

この式は気候変動対策なんかを議論する時に頻繁に出てきます。
実際気候変動対策を今、そして未来に置いてどの程度行うべきかの議論を理解するには必ず必要な知識ですし、現在の議論の中心もこの割引率をどの程度のものにするのか?という物になっています。



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