地球温暖化とかのお話。 [世間話]

今学期は本当に地球温暖化関係の事ばかりやってます。

僕の意見を明確にするとですね。

まず個人としては、結構懐疑的。

二酸化炭素が原因ってのもどうなの?って思うし、温室効果ガスが溜った時の影響なんかもどうなの?と思う。

それをどうやって解決するの?って議論をした時には温室効果ガスの削減よりも効率の良い方法があるでしょうよと思う。(例えばgeoengineeringとかね)

だけれども、経済学をやっている身としてはこの部分について考える事は止めないといけない。
なんでかっつーと、経済学ではこの真偽が解らないから。

じゃぁ経済学でやる事って何よ?というと、政府がこの問題を解決しようとした時に一番コストが少なくなる様な方法を考える事なんですよ。

政府が地球温暖化は起きていて、二酸化炭素が原因だからそれをこのくらい減らす。と言ったならば、それを最安で実現出来るプランを建てるのが経済学者のやる事。

だから今学期は個人としては疑いながら(というかだからこそなんだけど)地球温暖化を安く解決する方法に付いて分析していた訳です。


どの程度温暖化を緩和するべきなのか?と言う議論では割引率が非常に重要になる。で、それは9月に日記を書いているのでそっちを読んで下さい。
http://housecat442.blog.so-net.ne.jp/2012-09-14

ちょっとまとめておくと、温暖化を緩和して得られる便益以上にコストを支払っても損するだけなので、便益の計算をきっちりする必要がある。しかし、便益は未来の話なので、割引率を用いる必要がある。ただ、この際効用を割り引くのでラムゼイルールを用いて割り引く。
適切な割引率はWeitzmanのuncertainty approachによると、起こりえる最も小さい値になる。



ゲーム理論を使った京都議定書の分析も結構面白かった。

地球温暖化はグローバルな問題なので、どこかの国が問題解決の努力を行えばその恩恵を何の削減努力も成しに得ることができる。

つまり、フリーライダーのインセンティブがある。

すると幾らかの国に取ってはコストを支払う削減から得られる利益よりもフリーライダーによって得られる利益の方が大きくなる。
それらの国は京都議定書等の枠組みには参加せずに、フリーライドして参加国の削減を享受する。



二酸化炭素排出に税金が掛かった状態に置ける企業間の協力ゲームとかも面白かった。

CO2 taxがあると、taxよりも低いコストでCO2を削減出来る方法があるのであればそれを実行する様になる。
なんちゃらコンバーターを装着するとか、燃費を上げるとかそんなの。

そういった選択肢の中に、他の企業と協力するという選択肢もある。
技術協力だっていいし、輸送手段を合併するのだってあり。(というか良くある)

こうすることによって、他の方法より幾らか安くCO2を削減出来るので利益が上がる。
しかし、その利益をいかにして分配するのかが難しい問題となる。
例えば3社で協力した時に、C社が参加することによって得られる追加の利益がわずかな物しかなければC社に割り当てられる利益は些細な物にしかならない。
会社の数が多くなれば、他の会社と比較されて受け取れる利益の量に格差が生じる。




あとCDMの話とかも面白かった。

先進国が後進国で削減活動を行ったらその分だけ排出権を貰えるよという枠組み。
当然後進国の方が削減しやすいので、コストも低くなる。これは素晴らしいかと。ただ、あまりにも皆がやりすぎたので、最近では排出権の値段が崩れてしまってる。
EUなんかはこの値段を上げる事に興味があるのだけれども、どーするんだか。税金でも掛ける?
結構アリだと思うけど。



で、10月の終わりからはひたすら車の話。
EUでは新車の平均二酸化炭素排出を2020年までに95g/kmにしようという目標があって、それを各会社がどうやって達成しようとしているのか?とか。

ノルウェーは85g/kmが目標で、それを税金によるインセンティブで達成しようとしているのだけれどもどのくらいの税率にするべきか?とか。




ちょっと話が飛ぶのだけれども、今学期を通してすごい不満に思った事が一つ。
何で環境系の団体ってこういう事話さないんだろうね?

学部にいた時にこういったトピックに興味があってそう言ったサークルや団体やらに所属して、こういったトピックに関してぺらぺらと喋ってる友達が結構いたけれども、誰一人としてこういった話はしてなかった。

とりあえず要約すると、みんな文明的な生活を如何に石器時代に戻すかって話をしていた。あとちょっと再生可能エネルギーとか。

僕は正直に言ってこのトピックではそんなにやって行きたく無い。
個人的な見解の話もあるけれども、政策が政治で決定されていて社会科学や自然科学の入る余地がないからだ。
いや、ミクロレベルで観れば税率の計算とか現状分析とかあるのだけれども、マクロの流れを自然科学で決定付ける事は出来ない。

多分1、2年くらい経ったらまた違う事を考えてるのだろうけれども、今はやっぱりそんなに興味は無い。
ただ、問題を理解して、それをモデリングして、どうやったらそれが解決出来るかを考えるのが好きな経済学者に取っては面白い問題なので、さじは投げない訳だけれども。。。
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