キャピタルアセットプライシングモデル と 先物。 [経済学]

最近キャピタルアセットプライシングモデル(CAPM)と先物市場を勉強し直したので復習の為にまとめとこうかと。あ、それぞれの関係性についてとかはパスでw
別にファイナンスが専門ではないので結構しんどいなと思いながら書いてますw

CAPMとは、投資する時に使う割引率を投資リスクに見合って帰るべきでしょうというモデルです。

モデルは

r_i = r_f + ß(r_m - r_f)

r_i :投資iに使うべき割引率。
r_f :リスクフリーレート(リスク無しで得られる投資収益率。普通は国債の利子率とかが使われる)
r_m :マーケートレート(マーケットの商品全部を買った時のリスク)
ß :投資iのリスクとpure market risk(マーケットリスクからフリーレートを差し引いた値)の相関。

このモデルの仮定が一つ。
投資を行う側は資本が充実していて、ポートフォリオをちゃんと組んでいる。

この仮定を以下の様に解釈することができる。
マーケットリスクとは関係のないリスクは、様々な投資を行う事によって打ち消すことができる。
例えば円高になると収益が下がる様な物に投資する場合は、円高で収益が上がる商品にも投資しておけば為替によるリスクは無くなる。

よって、市場全体のリスクとは関係のないリスクはこの仮定下では一切考える必要は無い。
なので、リスクフリーレートに、商品のリスクのマーケット全体のリスクと相関のある部分を足した物で主益を割り引くべきだ。と言うのがこのモデルの結論。

こいつは石油業界でもしょっちゅう使われてる。(だから俺が勉強しないと行けない訳なんだけれども。)

例えば、どの油田を開発しようかと考えると、様々な不確実要素(リスク)が挙ってくる。
国の資源に対する税制や、地形、政治的安定性に資源価格なんかがある。

国の税金は利益に課税するか?収入全てに課税するかで大きく違う。もしかしたら、国は税率を上げてくるかもしれない。

地形はコストを左右する。更なる調査によっては採掘コストが高くなる事が解るかもしれない。

もし政府が弱く、転覆する可能性があれば油田が新政府によって国有化されるかもしれない。

そして資源価格は予想が不可能だ。

最初の三つはマーケット全体のリスクとは関係がない。よって、もし石油会社が大きな物であれば、他の油田に投資する事によってこれらのリスクを打ち消すことができる。

しかしながら、石油はグローバルマーケットが形成されているので、どの油田も同じリスクを持っている。よってこのリスクは打ち消すことができない。
と言う事で、石油価格のリスクを上のモデルのr_mに代入して、CAPMを計算して出た結果でこの油田への投資を割り引けば良い。



と言うのがCAPMでした。

今いるNHHの教授(もう亡くなった方なんだけど)Jan Mossinがその発案者の一人なので、やたらと授業で出てきますw

他の発案者であるWillian SharpはこのCAPMでノーベル経済学賞を貰ってます。何でJan Mossinは貰えなかったんだろ?最初ではなかったのかな?
まぁ相当悔しかっただろうなぁと勉強してて思う今日この頃。



よし、先物。

日本人が先物って聞くと投機というイメージばっか湧くんですが、先物はリスクを減らす為の物です。
あと最近出て来た金融派生商品で、とてもけしからん見たいなアホな事言う人結構いますけど、割と前からあります。

先物で取引されるのは、未来に置ける商品です。
あれですね、値段を全額今のうちに払っておいて商品を予約しておく訳です。

例えば今日の石油の値段が1バレル100だったとして、1年後の先物を1バレル分買う。
期日が近づいたら、同じ期日の先物を1バレル分売って上の先物の注文を相殺する。
先物の価格は期日が近づくと実物の価格に収束するので、このときの売り注文は今の値段と同じになる。
もし今(1年後なわけだけど)の値段が110なのであれば、去年の支払い100を差し引いても手元に10残る。

つまり、石油の値段は100から110へと1年かけて上昇したのだけれども、先物を去年買って今年相殺した事によって得た利益10がその分を賄ってくれるので、結果的に石油を1年後に同じ値段100で買えた事になる。


もし次の年の値段が1バレル110だったなら、上昇分の10を支払わずに済む。
もし値段が90だったならば、相殺時に10を失ってしまい、結局100を支払う事になる。つまり損してしまう。ただ、これによってリスクは避けることができる。

もし値段が倍になってしまったとしても先物を買っていれば多大な損失を被らなくて済むのは非常に有り難い。
だから今日では様々な商品が先物で取引されている。




石油で先物を話すと必ず出て来るのがconvenience yieldとstorage cost.

石油精製会社を想定する。
精製会社は将来に置ける価格リスクを二つの手段でヘッジすることができる。
一つは上で書いた様に先物市場を使う。
もう一つは今買ってタンクに貯めておくという手段がある。しかしこの場合は保持費用がかかる。(strage cost)

しかし、実物を手元においておく事によるメリットが幾らか存在する。そしてそのメリットはconvenience yieldと呼ばれる。
もし、次の年に急激な情勢変化なんかによって石油の供給がストップすると、市場の値段が高騰し、最悪石油を手に入れられない可能性が出てくる。
そう言う事態に置いてはタンクに石油を貯めておく事が助けになる。(そして莫大な利益のチャンスにもなる)
若しくは、何かしらの理由で精製後の商品の需要が急激に高まるかもしれない。そう言った場合には石油が手元にあった方が早い対応が出来る。

これらは”かもしれない”という可能性でしかないが、それでも備える事に幾らかの価値がある事は確かだ。その価値をconvenience yieldと呼ぶ。

じゃぁ先物市場と貯めておくのどっちが良いのだろうか?
答えはしりませんw

一応どっちでも良いんじゃねーの?ってことになってますw
誰かファイナンス専門の人教えてw

ただ、両方が同じ価値を持っていると仮定すると、

F=P(1+r) - K + C

Fは先物市場価格。
Pは現在の価格。
rは利子率。
Kはstorage cost
CはConvenience yield.

(1+r)は機会費用。もし銀行にP分だけお金を入れておけば(1+r)倍になって帰ってくる。
Kはタンクの使用料金とか。

と、まぁこんな関係性ですよと言う事が言える。

もしFがPより大きいのであれば、C-Kが大きいと言える。

もしFよりPが大きいのであれば、C-Kが小さいと言える。

Kが短期で変化する事は考えにくいので、時系列でこれらの流れを追うと、Convenience Yieldの大小を理解することができる。

例えば、過去10年を見てみると結構面白い。
データとグラフどっか行ったからここではうpしないけどw





復習おわり。




よしよし、何も見なくてこのくらい書ければおっけーだな。

ノルウェー人3人ノーベル経済学賞取ってるんだね。そしてそのうち2人がNHHと関係ある人なんだね。
現役教授でないのが残念だけどw

なんか金融系って頭良いなぁと思うけど、あんまりエキサイティングじゃないんだよね。

あと頭の使い方がちょっと経済学と違う気がする。

経済学はごちゃっとした中からモデルを使って規則性を見いだして、物事を理論で見ようとするけど、

金融はなんだろ?ツールを作る事が目的になっている気がする。

良いツールを作ったらむっちゃ儲かったり人の役に立ったりするのは解る。でもやっぱ面白くは無いかな。
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