始めての [研究]

始めて出張みたいな事をしました。

今日はリサーチアシスタントの為のミーティングでオスロに来ています。

基本的には教授のおまけです。
とりあえずどんな一日だったか書いておこうかと。



朝5時くらいに起きてシャワー浴びて朝ご飯食べて、

6時にベルゲン市街から空港バスに乗って、

6時半過ぎに飛行機にチェックイン。

コーヒーを飲みながら資料を眺めて、グンナー教授と合流。
因にグンナー教授のプロフィール。
http://www.nhh.no/en/research---faculty/department-of-finance-and-management-science/for/cv/eskeland--gunnar-s.aspx

コーヒーとパンを食べながら、会議への準備を始める。

基本的には教授がアイデアをぽんぽん発言していって、俺が聞いて、たまに今までに読んだ資料の中と食い違っている点なんかについて詳しく聞き直す。

そしてここで理解する。この人今日の会議の相手から送られて来た資料全く読んでねぇwww

この辺で話した事は、

何でCO2の排出量に対する税金がconvexなんだろうね?とか、
CO2排出量に対する税金の大きさって他の税金に対してどのくらい?とか、(ノルウェーではどの車でも払う税金の額の3割程がCO2。)
電気自動車の優遇政策についてとか。

ボーディングが始まったので列に並びながら世間話。
卒論の担当教授の話とか、アメリカの選挙の話とか、卒論のトピックの話とか。
実は卒論のトピックがこの教授の修士論文の内容と非常に似ている事が判明して盛り上がる。

俺の論文は、ノルウェーに置けるサーモンの養殖に周期性があるかどうか?
値段が高いと生産を増やして、2年後に出荷増を受けて値段が低下、それを受けて生産を減らして、2年後に出荷減を受けて値段が増加、それを受けて。。。
というお話。

グンナー教授は海運会社の投資に周期性があるかどうか?について研究してたらしく、サイクルが20年周期だった事以外は大体同じだそうな。

この話から、周期性が他の産業に適応出来るかを考え始める。
多分航空会社はあるんじゃないかな?と。あと鉄道。
っていうか労働市場とかもそうなんじゃね?とか色々。

飛行機が離陸した辺りでなんかアイデアが降って来たらしく、CO2の話に戻る。
現状ノルウェーでは重量と馬力とCO2に税金がかかってるんだけれども、それらは全て相関している。そりゃそうだ、馬力が高ければ燃費が悪くなるし、重量があればより多くのエネルギーが必要になって燃費が悪くなる。
じゃぁ結局の所CO2排出の税金一本にまとめられるんじゃないか?と言うのが降って来たアイデア。
面白いアイデアなので取り敢えずサポートしてみる。一方で教授は駄目そうな理由を探してみる。
面白い結果が幾らか見つかったのだけれどもここでは内緒。この辺で2人でニヤニヤしてた。


そしてサーモンファームの話へ戻ってくる。
卒論の続きの研究とか考えているのか?と聞かれたので、手持ちのアイデアを幾らか伝えてみる。
特に盛り上がったのはサーモンファームの周期性と環境問題の関連性とそのモデル化。(まぁ環境経済学の教授だしねw)
サーモンファームに置ける環境問題(養殖されたサーモンの脱走による生態系の破壊とかサーモンの病気とか。)の規模や起きる確率はサーモン密度(人口密度ねw)と相関がある。(はずw)
で、サーモンの養殖に周期性があれば、生産量を多くしている時には環境問題が起きやすくなる訳で、そしたらその辺に何かしらのトピックが落ちているでしょう。なんて話をした。
まぁそりゃトピックはあるだろうけど、問題となるのはそうした物をどんな政策をどうやって使って制限するか?になるから、その辺を準備しておきなさい。と釘を刺される。

はい、肝に銘じます。あとそのアイデアをPhDのリサーチプロポーサルに頂きますw

離陸して10分くらい経ってPCが使える様になったので互いにPCを弄り始める。
俺はツイッターでちょっとつぶやいた後にまた資料を確認する。

着陸前にPCを片付けてする事が無くなったのでまた話し始める。
良く授業でマルクスについて触れるので、ちょっとマルクス経済学について聞いたりした。
取り敢えずモデルとしてはそんなおかしく無い発想だけど所得分配の発想はちょっと。。。みたいな反応だった。

たぶん飛行機の中はそんな感じ。

で、9時半頃に電車乗って、その間はミーティングで会う人達の説明。
Transportøkonomisk institute(国土交通省みたいなもんかな?)って所の人2人と、コンサル会社の人2人。

その後はちょっと長期の話。もし今考えている政策を実行したら、生産者側はどんなリアクションをするんだろう?みたいな。
取り敢えず今は需要側の事しか考えていないのだけれども、当然生産者側にも影響があるはずで、それをどうやって推定するかとかも考えんとねと。
えーComparative staticsっすか。(sensitivity analysisともいいますね。多分)
実はあんまりあれ良くわかってナインですよねぇ。

とは言えないのでw



ですよね!やりましょう!とか適当な事言い始めるw(そして心の中で「俺の卒論の後に」とも小さく付け加えて。)

でも、もし望んでいるデータセットが手に入るのであれば、絶対に何か面白い研究が出来るはずなので、アイデアはキープしておきたいな。


後はTransportøkonomisk instituteに付くまで世間話。オスロの話とか日本の話とか。

10時過ぎに到着して早速ミーティングが始まる。
取り敢えずはTøiの2人が今手元にあるペーパーとかで重要な情報について説明し始める。(グンナー教授が読んでないからw)

で、恐ろしいなと思った事は。
そこで聞いた話から、少なくとも俺には穴がないと思えるアイデアを打ち出す事や議論が出来る事。
いや、こういうのを頭が良いって言うんだろうねw

うーん。あれできるかなぁ。うーん。
なんつーか理論がちゃんと頭に入ってて、普段から使われてないと無理だよね。

関係ないけど、ノルウェーが過去に行った増税の影響のグラフとかがとても面白かった。
駆け込み需要が見事にグラフに現れているのとか始めて見たw


あとは、2020年の色々な予想のグラフとかが会ったんだけれどもこの辺は内緒。

で、昼食。
昼食を選ぶ間にコンサル会社の2人のうちの1人と喋っていたのだけれども、海藻の養殖の話で盛り上がる。
違うプロジェクトで海藻の養殖をして、ジェット燃料をバイオフュールとして生産しようとしている話を聞く。
なんか面白そうな研究知ってる?と聞かれたけど、残念ながら。
やっぱアイデアが頭の端にあるのなら論文くらい読んでおいた方が良いのかもね。
ここでなんか面白い事言えたらなんか美味しいチャンスとか回って来てたのかも。

昼食をとりながらミーティングは続行。
この辺から集中力の低下を感じ始める。教授の喋りも切れが足りなくw
ただ、データの話とかが出て来たのでフォーカスを戻す。
どうやら車のスペックデータは思っていたのと違う形であるらしく、計量分析を可能にする形にするためには恐ろしい時間が掛かるっぽい。
と言う事で、なんか別の方法ないのかな?という流れに。
なんというか、自分の仕事が減るのは嬉しいのだけれども、給料貰ってるのにそれで良いのだろうか?といういかにも日本人的な発想を頭にあるのを認識しつつ、やっぱり仕事は少ない方が良いからそれを済みに追いやる。
まぁ全体を代表出来る様なサンプルを抽出するのが現実的かな?

コンサルの2人の飛行機の時間が迫っていたので、そっちの方を先に終わらせる。
その後場所を変えて、4人で人参を齧りながら続行。
50くらいのおっさん3人がバックスバニーみたいな持ち方で人参を持って、ぽりぽりしながら政策をどーするとか話しているのはとても滑稽w
そして必死にノートを取りながらぽりぽりしている俺も滑稽なんだろうねw

で、ミーティングは終了。

その後は解散して、俺は買い物。
でもなんか欲しい物がなかったので結局ホテルでブログを書いている始末。




明日は朝9時からセントラルステーションの正面にあるFLOだったかそんな感じの名前の所とミーティング。
データをくれる所なのだけれども、なんか渋っているらしく、取り敢えずどんな形のデータなのかとかを良く聞く。





いや、あのね。楽しかった。
多分人生一番レベルで楽しかった。
こんなにドキドキした事ないし。
こんなにわくわくした事ないし。
あとかつてこんなに経済学を駆使して会話した事は無かった。

大学入ってから理由は何であれずっと経済学と英語を勉強して来て、理由は何であれそれを止めずにいて、それを遂に全力で使う日が来たと言うのは非常に。。。なんだろ。上手い言葉が見つかんないです。

嬉しいし、楽しいし、誇らしいし、あと何か。


ちょっと前にノーベル経済学賞を取ったポールクルーグマンは、学部生の時に政策に関わる様なリサーチアシスタントをやって25歳の誕生日を迎える前に生涯を通じての研究テーマを見つけたそうな。

俺は今25になって、やっと同じ様なリサーチアシスタントのポジションを取ったばかり。
そしてまだ生涯を通じての研究テーマと呼べる様な物は見つかっていない。

うーん。PhD中には見つかると良いな。

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